ジビエレザー(シカ革)16-20220523イエロー
【ハンドメイド記録】「革」は「皮」で、もともと「いきもの」
いきものからレザーに変わる過程をまとめました。
※一部生々しい写真があるので、苦手な方は閲覧をひかえてください。
2022年5月23日
ナラの新緑がきらきら輝く5月末。


4日にいっぺん回ってくる見回り当番の日に1歳のオスジカがかかりました。

うちの地区の猟友会は、有害捕獲はみんなでワナをかけて当番制で見回り、かかればみんなで後処理をします。
本来、狩猟を行える期間は決まっていて、本州では11月15日~2月15日が一般的(地域によって差があります)。それ以外の期間は、各市町村から許可が下りた鳥獣(農林業に影響を及ぼす鳥獣)に限り捕獲ができます(有害駆除)。
※個人的に「有害駆除」には少し違和感があるのですが、天敵の少ない野生動物に捕獲圧をかけるのは狩猟者の大切な役割なんだと思います。もっと詳しく知りたい方は「農林水産省 鳥獣被害対策コーナー」を参考に。
タイミングよく仕事が休みで手頃なサイズ(大きすぎると1人じゃ手に負えない)、みんなお肉はいらないと言うので、引き取って解体しました(お肉は職場のみんなに分けておいしくいただきました!)
▼一本角が残る若いオスジカ(シカはだいたい6月が誕生月なので、もうすぐ2歳になるところだった)

解体は、スポーツに似ていて。たまに1人で全行程をやらないと、手順を忘れてしまうので、タイミングが合えば1頭丸ごともらってきます。我が家には、解体小屋がないので屋外での作業です。今回は、ソリの上で寝かせた状態で捌きました。

毛皮は、ぱっと見は森の木々と同じ灰色。葉が落ちた森にカモフラージュする冬の毛です。本来、冬毛はストローみたいに中空で、バリバリ。ちょうど生え替わり時期でなようで、バリバリな毛は抜け、ふわふわカールの天パぎみでした。

下には明るめ茶色の夏毛が生えていました。時期によって色味、柔らかさが全然違う、いきものの毛っておもしろい(それを間近で見られるのは猟師の特権)。
▼上が首側、首もとから徐々に夏毛(明るい茶+鹿の子模様)に変わるようです

捕獲当日に毛皮の下処理まで済ませ、発送まで冷凍保存しました。


▼首にはマダニやシラミバエがたくさん…

生え替わりの時期だと、毛が抜けやすく毛皮として残すには不向きです。業者さんにてタンニンなめしを依頼、イエローに染色をお願いしました。



▼首もとにはマダニに刺された跡?丸いポツポツがたくさん

切り出し・作製の様子…


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(作品は随時更新予定)
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